皆さんは
「自販機オペレーター業」という仕事について知っていますか?
自販機で商品を買おうとした際に、商品を補充している人を見かけたことがある方もいるでしょう。
自販機オペレーター業は主に自販機で販売する商品の補充から空き缶・ペットボトルの回収までを担う業種を指します。
また、それ以外にも自販機に関わる様々な仕事を行っています。
今回は、そんな自販機オペレーター業がどのような仕事なのかご紹介しつつ、どのような企業が手がけているのか、業界の動向はどうなっているのかなどを解説します。
自販機オペレーター業について気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
本記事はこちらから掲載を打診し、当メディアが執筆・編集した記事を公開しています。
自販機オペレーター業とは?
自販機オペレーター業とは、主に自販機の設置開拓から商品の補充、自販機のメンテナンス、売上金や空き缶・ペットボトルの回収などを担う業種です。
例えば街中でもよく見かける飲料自販機は、売り切れになっていることもありますが、
定期的に商品が補充されています。
また、屋外に設置されている自販機でも綺麗な状態が保たれているものも多いでしょう。
これらはすべて自販機オペレーターが管理しているため、商品が補充され綺麗な状態に保たれています。
【自販機オペレーター業の主な仕事】
自販機オペレーターは一人ひとり担当エリアが異なり、その中にある
自販機に商品を補充したり、売上金の回収を行ったりします。
担当する件数は個人や企業によっても異なりますが、
約20~40台です。
自販機の近くにゴミ箱が設置されていれば、そのゴミも回収して周りを清掃するのもオペレーターの仕事です。
また、エリア内に新しく自販機を設置できるよう周辺の店舗やマンションなどに自販機設置の提案も行っていきます。
【自販機オペレーター業の種類】
自販機オペレーター業は主に3つの種類に分類できます。
・専業オペレーター
専業オペレーターとは、複数の飲料メーカーから商品を仕入れ、
自販機の運用管理を行います。
1つの飲料メーカーだけに依存せず、人気商品を組み合わせて自販機にセットすることが可能です。
専業オペレーターが名称・デザインなどを考え、オリジナルの自販機を提供するケースもあります。
メーカーに依存しない構成で商品を販売でき、売上データをもとに売れる商品に入れ替えることも可能です。
また、専業オペレーターは大量かつ割安で商品を仕入れているケースも多く、相場より安い価格で提供する自販機も設置できます。
・メーカー系列のオペレーター
メーカー系列のオペレーターは、
飲料メーカーなどの系列子会社が手がける事業です。
メーカー系列なのでそのメーカーで取り扱う商品のみを販売する形になります。
自販機のカラーやデザインはブランディングが重視されており、認知度の高いメーカーであればあるほど売上にもつながりやすくなります。
なお、飲料メーカーの自販機は定価でしか販売できず、割安に設定することができません。
・オーナーオペレーター
オーナーオペレーターは、
自販機の設置場所を管理するオーナーが自販機の本体と飲料を仕入れ、自ら管理・運用を行います。
例えば小売店などにある自販機はリースまたは購入されており、事業者自身が商品補充などを行っています。
自販機オペレーター業を手がける企業
自販機オペレーター業を手がける企業は国内に数多く存在します。
どのような企業があるのか、専業オペレーターとメーカー系列に分けてご紹介しましょう。
【専業オペレーター】
・ナショナル・ベンディング株式会社
ナショナル・ベンディング株式会社は昭和38年創業と、かなり歴史のある企業で、業界のパイオニア的存在でもあります。
関東一円の企業や公共施設、諸官庁などを主体に自販機の設置と管理・運用を担います。
・株式会社アペックス
東京と愛知に本社を構える専業オペレーターの企業です。
ソフトドリンク全般を扱っていますが、カップドリンクの自販機をメインに取り扱っています。
・株式会社ユカ
1973年に創業してから自販機設置に関する事業を主に手がけている企業です。
自販機の売上や在庫状況をスマホで確認できる最新のシステムや、防犯カメラを搭載した自販機など、新たな試みにも挑戦しています。
【メーカー系列】
・アサヒ飲料株式会社
アサヒ飲料株式会社は、カルピスや三ツ矢サイダー、十六茶など幅広い種類の商品を展開する飲料メーカーです。
自販機の設置はグループ会社の「アサヒ飲料販売株式会社」が主に手がけています。
カーボンオフセット自販機やWi-Fi搭載自販機など、環境や利便性にも考慮した自販機を扱っているのが特徴です。
・サントリービバレッジサービス株式会社
缶コーヒーのBOSSやサントリー烏龍茶、伊右衛門などを取り扱う飲料メーカーです。
各商品のブランド力が強く、長年愛されている飲料が多く見られます。
また、一般的な自販機だけでなく災害や緊急事態などで停電が発生した際にも商品を供給できる
「災害ベンダー機」なども取り扱っています。
業界の動向について
自販機業界の動向として、
普及台数は2016年頃から少しずつ減少傾向に推移していることがわかっています。
これはすでに多くの自販機が屋外に設置されており、新規で設置するのは屋内に限られていることが影響していると考えられます。
ただし、普及台数が減少傾向に推移しているからといって将来性に期待できないわけではありません。
新型コロナ禍の影響で無人販売の有用性が見直された結果、自販機市場は活性化が見込まれています。
今後は飲料だけでなく、食品の自動販売機も数を増やしていくのではないかと予測できます。
自販機オペレーター業の魅力
自販機オペレーター業では飲料を取り扱うことが多く、トラックへの積み下ろしや過酷な天候下でも屋外で作業をしなくてはいけないなど、大変なことも多いです。
しかし、働きがいや魅力を感じられる仕事でもあります。
具体的にどのような魅力があるのか解説していきましょう。
・自分のペースで働ける
1日に担当する件数や働く時間などは決められているものの、自販機を巡る経路や進め方などは自身の裁量でできる部分も多く、自分のペースで働きやすい仕事です。
また、
商品の搬入や補充、清掃などルーティンワークが業務の中心となってきます。
ルーティンワークを得意とする方にとっては、働きやすい仕事と言えるでしょう。
・自分の頑張り次第で収入を増やすことも可能
企業によっては商品の補充や清掃だけでなく、商品ラインナップの提案や補充数をどうするか、自販機の新設営業を担う場合もあります。
こうした売上に直接関わってくる仕事は売上に応じてインセンティブが支給される可能性も高いです。
自ら考え、提案したことが売上につながった時、収入はもちろん、大きなやりがいにつながるでしょう。
まとめ
今回は自販機オペレーター業とはどんな仕事かご紹介してきました。
自販機オペレーター業は担当エリアにある自販機の管理・運用を行う仕事です。
身体を動かす仕事なので、大変に感じてしまうこともありますが、自ら考えて提案したことが売上につながることもあるため、働きがいを感じられる仕事でもあります。
また、自販機は街のインフラとしての役割も大きく、社会貢献につながる仕事とも言えます。
自販機オペレーター業にも専業とメーカー系列などに分類されるため、就職・転職を検討されている方は双方の特徴を加味した上で、どちらに就職・転職するか考えてみてください。