「夢や希望を抱いて社会人になったものの、自分の理想とは違っている」
そんな悩みをお持ちの20代の方は多いのではないでしょうか?
とは言え、多くの20代は社会人になってまだ数年でしかありません。
仕事のキャリアが浅い中で「これといってアピールできるスキルがない」と不安を感じれば、転職活動を始めるのも躊躇してしまうことでしょう。
でも、転職をするためには何が必要かを知ることで、「スキルがないので内定をもらえないかもしれない」という心配を解決できるのです。
転職によって自分の将来を変えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
スキルを身につけるために転職する
株式会社学情が転職を希望する20代の社会人445人に実施した2022年6月のアンケート結果によると、
転職しようと思った理由(1人3つまで回答可)の1、2位は「給与・年収を上げること」「希望する仕事に従事できること」でしたが、3位に入ったのが「スキルを身につけて成長できること」でした。
調査結果を紐解けば、「現状の自分はスキルがない」と認識しているからこそ転職を考えているという見方ができるでしょう。
しかし、スキルを身につけることが転職の目的になっているということは、多くの人が「実際に転職をしなければスキルは身につかない」と考えているということにもなります。
参考:
20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(転職理由)2022年7月版
採用側が求めるのは「中長期的な戦力」
では実際、20代の転職にスキルは必要なのでしょうか?
厚生労働省の2021年雇用動向調査結果の概況によると、
20代の転職入職率は男性が15.3%、女性が12.9%で、19歳以下を除くあらゆる年代で最も多くなっています。
また、株式会社学情が20代の中途採用を実施、あるいは実施予定の企業の人事担当419件から聞き取った調査結果では、
20代中途採用で期待すること(複数回答可)は「中長期的な戦力になること」が81.6%と圧倒的な割合を占めました。
「新卒学生よりも早期での戦力化」も45.3%に上りましたが、企業としては「長期的なスパンで活躍してくれればいい」と考えていることが分かります。
もちろん、同じ20代でも「第二新卒」と呼ばれる前半の年代と、30代が近付いた後半の年代では、求められることも変わるでしょう。
20代後半になればある程度のスキルを発揮することも期待されるため、実際に働いた経験のある業界や業種での転職を目指す方が無難かもしれません。
それでも、まだまだ社会人経験が浅いことに変わりがない
20代に求められるのは専門的なスキルより、社会人としての素養や仕事への取り組み姿勢などです。
上司や先輩の指示でたくさんのプレゼンテーション資料を作ってきたというのも立派なスキルですし、そのような地味な仕事にも真面目に取り組んできた姿勢が伝われば好感を持たれるかもしれません。
参考:
-令和3年雇用動向調査結果の概況- - 厚生労働省
「20代中途採用」に関する企業調査(2022年6月)
自分の目標や強みを洗い出すことが大切
企業にとって中長期的な戦力となることが期待されている20代にとって、転職活動を始める前に取るべき行動は、転職してから習得しても遅くないスキルの有無を心配することではありません。
まずは「転職をしてどんな自己実現を目指すのか?」「新たな職場で自分がどんな強みを発揮できるのか?」をしっかり洗い出すことが大切です。
企業が期待しているのは入社後の伸び代ですが、「転職をして何がしたいのか?」「自分が得意なことは何なのか?」が分かっていなければ、例え採用されたとしても頑張りようがないでしょう。
また、自らの能力を発揮できるかは、それぞれの企業が持つ社風や力を入れている事業などをよく知ることも大切です。
労働条件や収入ばかりを気にするのではなく、「本当に自分の能力を発揮でき、理想とするキャリアを築けそうな職場か?」ということを確かめておく必要があります。
未経験の業種・職種に挑戦する場合はなおさらで、売り手市場の業界などで「とにかく人手が欲しい」という採用側の都合に流されてしまえば「せっかく転職をしたのにミスマッチの企業だった」ということになり、さらに転職を繰り返してしまうことにもなりかねません。
20代前半と後半で異なる転職事情

転職の悩みは年代でも異なります。
株式会社ビズヒッツが2021年5月に公表した
転職経験がある男女299人に対する意識調査では、転職が決まらなかった理由(複数回答可)の2位に「年齢が高い」(41人)がランクインしました。
ちなみに、こう回答したのは何も30代以上だけではありません。
転職活動当時20代後半だった人からも「その年齢で未経験の業種を志望したためだったと思う」とのコメントが寄せられています。
「第二新卒」の年代ならスキルはさほど問われないかもしれませんが、20代後半ともなれば一定の経験値を求める企業が多くなります。
人物の将来性を見極める上で、後輩や業務のマネジメント力を審査される場合もあるでしょう。
面接では「単に新しい仕事に挑戦したい」という理由だけではなく、
「なぜ、この会社でなければならないのか?」という根拠をはっきりと説明できるようにする必要があります。
参考:
【転職者が感じた”転職が決まらない理由”ランキング】299人アンケート調査|Biz Hitsのプレスリリース
思い描くキャリアを実現するために
ここまで、20代の転職にスキルが必要かどうかを検証してきました。
企業の人事担当に対する株式会社学情の調査結果にもあった通り、
採用側は即戦力としてのスキルより「中長期的な戦力になること」を重視しているのは確かなようです。
異業種などに挑戦する場合は特に、20代の前半と後半では求められることが変わってきますが、「自分は将来どうなりたいか?」「何が強みか?」としっかり考え、思い描いたキャリアを実現できる道を探し当てましょう。