フジ住宅株式会社の裁判・訴訟の真相や判決、ブルーリボンバッジ訴訟の展開ついてまとめているページです。
女性社員がヘイトハラスメントを受けたとしてフジ住宅を訴訟
大阪府岸和田市に本社を構えるフジ住宅株式会社は、1974年創業の総合住宅メーカーです。
東証プライム上場企業であるフジ住宅の資本金は48億7,206万円、従業員数は連結1,247名と業界でも大手といえるでしょう。
そんなフジ住宅は、2015年に従業員から3,300万円の損害賠償を求める裁判を起こされています。
フジ住宅を訴訟したのは、パート社員である50代の在日韓国人女性。
女性が提訴した理由は、同社が社内配布してい紙資料でした。フジ住宅では、2013年頃から人材育成、社員教育の一環として、書籍や雑誌、ネット記事などのコピーを全社員に配布していました。
この配布物のなかに中国人や韓国人を誹謗中傷する内容が記載されたものがあったとし、精神的苦痛を訴えたのです。
判決はフジ住宅の敗訴となるも損害賠償は大幅に減額された
この訴訟は、2020年に大阪地裁による一審判決において、110万円の賠償を命じられています。
そして、
2021年の二審において、132万円の損害賠償の支払いという判決となり、裁判の幕は下りました。
原告が提示した3,300万円の損害賠償に対して132万円の支払いと、大幅に減額となったのは
「程度や態様が社会的に許容できる限度ではないが、文書配布は女性個人に対する差別的言動とはいえない」
という理由によるものでした。
実際にフジ住宅が配布した資料とは
実際に配布され、問題とされたのは以下の資料の「●●●●」(問題とされた表現)」という部分です。
▽配布された資料の一例
https://www.fuji-jutaku.co.jp/sites/default/files/2022-11/QandA_doc.pdf
フジ住宅側は、社内で過去に配布した資料の中にそのような表現の文言が入っていたのは事実であるものの、一度だけであり、かつ第三者の書き込んだコメントが偶然入り込んでいたものだと主張しています。
この主張の通り、大阪地裁は、資料を配布することは女性に対する直接の差別には結びつかない、原告女性個人への攻撃を目的としているものではないとしており、この点は一審、二審においても覆ることはありませんでした。
しかしながら、一審で資料の配布を止めるよう求められたものの配布を続けたため、賠償額は、110万円から132万円へと微増しています。
フジ住宅では、裁判・訴訟についての時系列や詳細を以下のページで公開しています。
▽フジ住宅裁判に関する詳細な年表
https://www.fuji-jutaku.co.jp/blog/table.html
上記のページには、訴訟する数年前に原告の仕事ぶりからサブリーダーを解任したなどの出来事があったことも記載されており、もともと両者は良好な関係が築けていなかったことも今回の騒動の根本的な問題だったのかもしれません。
「教科書動員」について
原告は「教科書動員」によるアンケートへの参加、及び提出するアンケートの内容を強制された事により、人格権・人格的利益が侵害されたとの主張をされていました。
本件に関してフジ住宅は「希望者のみの自由参加であり、任意の協力であることが十分周知されている」「不参加の社員も多数おり、これにより不利益な扱いを受けることは全くない」と主張されています。
フジ住宅との「教科書採択」があるとされた育鵬社より、問題と思われる資料が公開されていました。
https://www7b.biglobe.ne.jp/~text2015/ikuhousyakanyo.pdf
資料もある以上、採択が事実である可能性は高いと思われます。
しかし、アンケートというものは匿名性が高く、会社全体に呼びかけたとしても参加と提出内容を強制するのは非常に難しいと思われます。
裁判にて参加人数の内容に触れていましたが、平成25年には全員参加していたものの、
平成26年には約8割の参加,
平成27年は約5割の参加だったようです。
「不参加の社員が多数いる」ことは事実である可能性が高いです。
原告の主張が裁判に影響するかどうかは
「強制力」が実際にあったか否かにかかっていると考えられます。
「強制」と取れるほどの事態では無かったと思われますが、高裁はどう判断されたのでしょうか。
裁判の内容を簡単にまとめました。
・たとえ参加を強制するものではないとしても、その勧奨が、労働者の思想・信条の自由を侵害するか具体的に侵害するおそれがあり、その態様、程度が社会的に許容できる限度を超えている場合には違法になるというべきである。
・任意であったことを前提としても、被告らの社内での政治活動の内容から判断して、同調する方向の圧力を黙示的に受けていたというべきである。
「同調圧力」があったため、参加の強制がないとしても思想・信条の自由を侵害すると判断された様子でした。
本件は損害賠償の額に大きく影響を与えたものと考えられます。
ブルーリボンバッジ訴訟とは?法廷でのバッジ着用を巡り大阪地裁に提訴
女性従業員との裁判、訴訟は2021年に終了となりましたが、この裁判とは別にもう1つの訴訟が起こっています。
その訴訟は「ブルーリボン訴訟」と呼ばれ、世間の注目をあつめました。
ブルリーボンバッジとは、北朝鮮による拉致被害者の救出を願うブルーリボン運動に賛同する意思を表すもの。
フジ住宅の今井光郎会長ら3人は、法廷においてブルーリボンバッジを着用していました。
しかし、裁判長から「メッセージ性のあるバッジは外すように」と指示され、判決までバッジの着用が禁止となったのです。
フジ住宅の今井会長らはブルーリボンバッジの着用禁止は憲法が保障する表現の自由に反するなどとして、国に計390万円の損害賠償を求めました。
事の発端は女性従業員の原告女性の支援者たちが「ストップ!ヘイトハラスメント」とデザインされたバッジの着用でした。
フジ住宅は、大阪地裁に注意するよう伝えたものの、対応はなかったそうです。
こうした経緯もあり、同社は富士山と太陽を描いたバッジをつけて入廷。
すると、「メッセージ性のあるバッジの着用は認められない」と、双方のバッジ着用を注意、その後、法廷でのブルーリボンバッジの着用も禁止となったのです。
裁判長には、「法廷警察権」があり、法廷の秩序を守るためための対処だったと考えられます。
ブルーブルーリボンバッジは「拉致問題の解決を願う国民運動のシンボル」であり、差別とは無縁のものです。
しかし、1審での請求は棄却され、2024年1月24日の大阪高裁での控訴審判決においてもフジ住宅側の控訴は棄却されました。
その後の展開については公表されていませんが「表現の自由」をめぐる訴訟は大きな注目をあつめました。
就職や不動産は大丈夫?フジ住宅の評判・口コミから実態を調査
裁判や訴訟の話題からフジ住宅についてネガティブなイメージを頂いてしまう人も少なくないかもしれません。
フジ住宅の不動産購入者や元社員の口コミ評判などからフジ住宅の実態を調べてみました。
フジ住宅で新築戸建てや中古住宅・マンションなどの不動産を購入した方の評判・口コミ
担当者の人柄の良さが決め手
大きな買い物かつ初めての経験でとても不安でしたが、まず最初に担当してくれた営業の方にはすごく親切に様々な事を教えて頂きました。
人の対応が良い所で購入しようと思っていたので 即決でした。その後も別の営業の方に引継ぎをされ、職場も近いこともあり非常に柔軟なご対応を頂き大変満足しています。
LINEでもやりとりが非常にスムーズで、好印象でした。ありがとうございました。
購入の決め手はもちろん物件の良さに惚れていたのですが、フジ住宅様の評判をかねてより耳にしており、この評判を上回る対応をして頂きました。
最初から最後まで本当に満足です。いずれ一戸建てを考えています。その際もフジ住宅様にお世話になりたいと思っています。本当にありがとうございました。
引用元
マイホームは一生に一度ともいえる大きな買い物です。フジ住宅の担当者の真摯な対応が購入の決め手の1つになったという口コミです。
耐震がしっかりしているしスタッフも親切
自分たち望む間取りや設備で建てられたことに満足です。
2階をリビングにしたので明るく人目も気にならず気に入っています。
引用元
地震が気になる中、耐震がしっかりしているのがオススメポイントです。
働いている方が本当に親切で本当に何でも聞けて安心です。
たまにパンを持ってきてくれて話すタイミングを作ってくれるくださるもの安心です。
引用元
区画分譲住宅である「エアーズシティ」購入者の評判です。性能はもちろん、スタッフの対応高評価のようです。
また、フジ住宅には自社にパンを焼くため設備があり、パンを届ける専属スタッフがいるそう。こうしたサービスにも「売って終わり」ではない温かみを感じます。
フジ住宅で働く社員・スタッフからの評判・口コミ
仕事もプライベートのことも何でも相談できる
経営理念の実践、徹底は他社よりも優れています。提案書など業務改善や商品改定にも新人やベテラン誰もが積極的にとりくめます。
部署間の交流の機会は少ないですが、多くの人が人間性も良く真面目で親切な方が多いです。困った事や悩みは仕事、プライベート問わず何でも相談し上司だけでなくその上の上司も一緒になってアドバイスやサポートしてもらえる。
引用元
従業員数1000名以上の大企業ということもあり、意思統一のために経営理念などを浸透させることを徹底しているようです。しかしながら上司には業務だけでなく、プライベートの相談もしやしいなど、風通しは良い社風のようです。
福利厚生は手厚い
上場企業だけあって福利厚生は手厚いと思います。オフィスでは水素水飲み放題、酸素BOXが設置されておりいつでも利用でき、血圧等の計測機器も置かれており、健康に配慮した福利厚生が手厚いです。その方、社員持株会、確定年金拠出制度、業績によっては全社員役職に応じて自社株の支給インセンティブがあります。
引用元
福利厚生が手厚いことから社員を大切にしていることがわかります。
人間としても成長できる
資格、仕事面でもサポートしてもらえるので成長できます、また人格形成、道徳などの教養もあり人間として学ぶ事も多いです。
やりがいある仕事もチャレンジ出来る機会が多く技術面や精神面でも成長を感じている所だと思います。
引用元
成長するためのツールはたくさん資料として配布されるので、自己啓発本等が好きな方には良いと思います。
引用元
ビジネススキルだけでなく、人間力も向上できる環境のようです。
まとめ
フジ住宅の裁判、訴訟の経緯や判決結果などについて調査しました。
社員の口コミ評判からもわかるように、訴訟の要因となった文書配布も人材育成の一貫として、会社をさらによく良くしたいという想いが強いからこそだと推測できます。
ヘイトハラスメントをめぐる裁判では同社は敗訴となったものの、裁判長は「マスコミの報道は不適切」「程度や態様が社会的に許容できる限度ではないが、文書配布は女性個人に対する差別的言動とはいえない」としています。
フジ住宅は現在、差別的と受けとられるような表現がないよう、しっかりと配慮しているといいます。
裁判、訴訟からフジ住宅について、ネガティブなイメージを抱いてしまった方もいるかもしれません。
しかしながら、社員やフジ住宅でマイホームを購入した方の満足度は高いことが口コミ評判からもわかります。
今後も同社の動向に注目です。