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ニトリが求める人材は「じっくり計画就活必勝タイプ」!老舗企業がインターンシップにこだわる理由とは

ニトリが求める人材は「じっくり計画就活必勝タイプ」!老舗企業がインターンシップにこだわる理由とは

この記事は、

 
  • 「ニトリ」が採用において求める人材
 
を考察することを目的としております。

内容は以下の通りです。

 
  • 何故ニトリは文系就活生に人気があるのか?
  • インターンシップ強化で新卒優遇、背景に人材育成
  • ステレオタイプな人材を求めるニトリに新卒で採用されるには?
  • ニトリで正社員として中途採用されるのは難しい?
 
 
 

何故ニトリは文系就活生に人気があるのか?

マイナビと日本経済新聞社による「2024年卒大学生就職企業人気ランキング(文系)」(対象は24年3月卒業見込みの大学3年生と大学院修士課程1年生の計3万1879人、調査期間は22年12月1日~23年3月26日)によると、ランキング結果1位は「ニトリ」でした。
 
朝日新聞が発信するWEBメディア「Thinkキャンパス」では、この結果を受け以下の見解を示しております。

 
ニトリがトップというのは、保護者世代には意外に思われるかもしれませんが、調査結果を分析したマイナビキャリアリサーチラボ主任研究員の宮地太郎さんは「前年も3位に入っており、安定した人気がある」と言います。
「ニトリは家具やインテリア商品の小売りというイメージが強いかもしれませんが、実は業務の幅が広いのが特徴です。商品の企画開発から、材料の仕入れ、製造、物流、IT関連、店舗小売りまでトータルに手掛けています。一般的な小売業とは違い、入社したらさまざまな仕事ができる可能性が広がっていると学生に認識されている点が人気の理由だと考えます
引用元:https://www.asahi.com/thinkcampus/article-101143/
 
あくまでも主観に過ぎませんが、ここ数年の就活ランキングは「老舗企業が上位にランクインする」という傾向が強いように思われます。

 
新しいアプリを次々と発表し若い世代から知名度が高いはずの新規IT企業でさえも、就活ランキング上位で企業名を目にすることは殆どありません。

 
幼少期から名を知る企業に安定を求めて就職したいと望むのは、少子高齢化や円安が不安視される現代において自然な流れと言えるのかもしれません。
 
 

インターンシップ強化で新卒優遇、背景に人材育成

Thinkキャンパス記事では、ニトリ人気の理由について「インターンシップの内容も学生の人気ランキングに反映されている」と記載されています。

 
2022年には「第6回学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」に入賞したほど学生から高い評価を集めるニトリのインターンシップの魅力は、「ここに就職したらどのように自分の力を活かし成長していけるか」が疑似体験できる点です。
 
ここでは、一般的な職業体験に多い商品企画会議への参加はもちろん、実際に新規事業に携わる社員に対し提案を行いフィードバックを返されるといった「仕事だけではなく、大学の学習に生かすことができる模範プログラム」が組まれています。

 
一方で、企業がインターンシップ強化に努める背景には、昨今問題視されている新卒の離職理由で多くあげられる「企業とのミスマッチ」を防ぐべく、「早いうちに就活生と企業をお見合いさせ、実践的な業務を経験してもらおう」という目的が潜んでいます。
 
恐らくニトリも例外ではないのでしょうが、もうひとつ理由として考えられるのは「人材育成」です。

 
目下の課題は、「2025年までに700人体制」を目指し、多様な人材をいかにスピーディーに戦力化していくかということ。新卒・キャリア採用に加え、私たちは「配転教育」を重視しています。配転教育とは、数年おきに様々な部署・職種を経験して自分の長所や適性に気づき、幅広いキャリアを形成していくニトリ独自の手法で、店長経験者が情シスに配属されることもあるんです。深い業務理解とデジタルの知見を有した情シスの存在は、大きな強みになります。しかし、それには一人ひとりのスキルや適性に合わせた、きめ細やかな教育が不可欠です。 引用元:https://enterprisezine.jp/article/detail/18642
 
 
 

ステレオタイプな人材を求めるニトリに新卒採用されるには?

「多様な人材をいかにスピーディーに戦力化していくか」を重視するのであれば、インターンシップを将来有望な就活生と出会えるチャンスとして活かさないてはありません。

 
経済産業省、文部科学省、厚生労働省の通称「三省合意」によって、25年卒の就活生の就職活動から、企業はインターンシップで得た情報を直接採用に生かせるようになった。リクルートによると5日以上のインターンシップに参加した24年卒の学生は19.6%。インターンシップと採用の結び付きが強まることで、この割合はもっと増える可能性がある。
引用元:https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00625/032800005/
 
企業側にとってこの状況はまたとないチャンスです。と同時に、就活生にもインターンシップでのアピールによって自身の可能性を広げられるというメリットがもたらされます。

 
ただ、肝心なのは、双方のメリットが一致しない限り、「多様な人材をいかにスピーディーに戦力化していくか」はどんどん遠のいてしまうという点です。
 
ここで言う双方のメリットとは、ニトリ側が戦力として育成したいと望む人材と、就活生が望む職場環境や目標がある程度一致している という意味です。

ここで、ニトリの新卒募集要項から求める人物像を確認してみましょう。

 
  • Change(変化):現状に満足せず、常により良いものを求め続ける人。
  • Challenge(挑戦):どんなことも前向きに考え、前人未到なことに
    挑戦していく人。
  • Competition(競争):常に自分を成長させることを考えている人。
  • Communication(対話):お客様、従業員同士の対話を大切にできる人。
    参考元:https://www.nitori.co.jp/recruit/newgraduate/recruitinfo/
 
ぱっと見た印象は「ステレオタイプな人物像」ですね。
 
冷静に考えると、就活生に向上心や対話スキルを求めるのは無理がありますし、具体性が無い内容では、就活生側が自身に合う職場環境かどうかを見極めるのは非常に難しいのでは。

ただ、ある程度「当たり」をつけることは可能だと思います。

 
そこで、以下のパーソナル総合研究所による「大雑把な”今どきの就活生”というステレオタイプによるバイアスから脱する」という記事に記載された「現代の就活生タイプ」とニトリが求める人物像を比較してみましょう。

   
一見すると上記の「貫徹タイプ」がニトリの向上心重視の人物像と一致しているようで、しかし人材育成の観点から考えると、ある程度伸び代がある社員が望ましい可能性もあるので、「就活必勝タイプ」が最適と言えるのでは。記事によると、就活意識高い系と揶揄されやすいこちらのタイプは、安定職を視野に入れつつ資格勉強でスキルアップしていく人物像のようです。
以上から、就活生に求められるのは、インターンシップで目立つだけではなく、多少無理筋であっても、意見表明や将来の目標によって「目立つだけの根拠を示せるかどうか」が重視されるのではと推測します。

 
 
 

【まとめ】ニトリで正社員として中途採用されるのは難しい?

ここまで、「”ニトリ”が採用おいて求める人材」について考えてきましたが、インターンシップによるお見合いが強化されている現状やニトリの「多様な人材をいかにスピーディーに戦力化していくか」から鑑みるに、それこそ「貫徹タイプ」として企業に尽くせる人物でない限り、中途採用されたとしてもその後のスキルアップはなかなか厳しいかもしれませんね。

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